※最新情報はトップページに統合しました.

これより下の情報が最後に更新されたのは2013年7月2日です.

 

2015/4 /11    第6回研究会@一般財団法人 日本自動車研究所

 

2014/12/20 第5回研究会@昭和大学

 

2014/8/9 第4回研究会@清瀬 労働安全衛生総合研究所

 

2014/6/5~6 人間工学会全国大会でシンポジウム

安全を実現するための多方面からの取り組み(1)
−運転の階層と交通参加者のライフステージに応じた人間工学的介入−

司会:島崎敢(早稲田大学人間科学学術院)

シンポジウム要旨:運転は,操作技能,状況認知,安全態度など複数の階層に分けられる.また,道路交通社会は子供から高齢者まで様々な人が参加しており,ライフステージも多様である.さらに近年,自動化システムも交通参加者としての存在感を持ちつつある.道路交通社会全体を捉えるためには,これらに対する個別の研究に加えて,分野間の相互理解も重要である.本シンポジウムでは各分野の研究者を集めて相違点や共通点を探っていく.

1.ドライバの安全態度を運転行動から推測する試み
ーよそゆき運転と普段の運転の比較ー

パネリスト:中村愛(早稲田大学人間科学学術院)

これまで安全態度の検討には質問紙が多く使われてきたが,回答者が社会的に望ましい回答をする可能性や,回答結果と実際の運転行動が異なる可能性がある.ここでは,誰かが見ている時に安全運転をしていても,1人で運転している時に手を抜いているドライバーは技能ではなく安全態度に問題があるという着眼点のもと,ドライブレコーダ映像を利用した安全態度の検討方法について発表を行う.

2.自転車運転者の運転行動と交通事故対策

パネリスト:神田直弥(東北公益文科大学公益学部)

自転車関連事故が社会的な問題となる中で、走行空間整備やルールの整備、取り締まり強化等の総合的な対策が実施されているが、さらなる事故の軽減防止を図る上で人間工学の果たす役割は大きいと考えられる。本発表では、自転車走行位置明示のピクトグラム、雨具、教育等をトピックとして取り上げながら、自転車を交通システムに安全に位置付けるための課題について考察する。

3.自動運転のシステム設計とドライバの信頼

パネリスト:安部原也(一般財団法人日本自動車研究所)

機械の知能化により自動車の自動運転が現実味を帯びてきている.自動運転による走行に際して,人が機械による運転操作の仕方を信頼(trust)し,運転を機械に任せることができるか否がかが自動運転を普及させるための重要な課題の一つとなる.本発表では,自動運転による自転車,原付きバイクの追い越し場面を対象として,追い越し方法(車速,車線横位置等)の違いによるtrustへの影響を概観した上で,自動運転に対するtrustを確保するための必要な考え方について考察する.

4.自分の運転を客観視するための支援システム

パネリスト:島崎敢(早稲田大学人間科学学術院)

実際の自分の行動と自分がイメージする自分の行動はずれている場合がある.例えば一時停止交差点で一時停止が守られない主要な原因は,ドライバに一時停止の意志がないことではなく,多くのドライバが止まったつもりになってることであろう.止まったつもりのドライバに対しては「止まりなさい」と言っても効果はなく「止まれていない」ことをフィードバックする必要がある.ここでは外界認知の認知支援ではなく,自己イメージの認知支援を行った実例を紹介し,オペラント条件づけなどの心理学的知見との関連について考察する.

5.加齢に伴う運転行動の変化と補償行動の関連

パネリスト:太子のぞみ(神戸大学大学院海事科学研究科)

超高齢社会である我が国では、高齢者講習が導入されるなど高齢ドライバーに対する対策がなされている。本稿では、高齢期の運転行動の特徴についてその背景要因である認知機能との関連を検討した実験結果に加えて、高齢ドライバー自身が加齢に伴う変化に対処するために行う運転習慣について発表を行う。上記を踏まえて、高齢期に特化した現行の交通対策の課題と展望について述べる。

6.子どもを対象にした道路交通事故対策
-人間工学的対策と教育的介入の調和を目指して-

パネリスト:大谷亮(一般財団法人日本自動車研究所)

子どもの交通事故低減に関する研究や取り組みを歴史的にみると,幼児期から青年期にかけての発達特性の観点から,人間工学的対策と教育的介入による対策の効果および限界についてのホットな議論が長期にわたり行われてきた.本稿では,この歴史的な流れとともに,現在,諸外国を中心に考えられている総合的・システマティックな対策について概観し,人間工学的対策と教育的介入の調和について考察する.

安全を実現するための多方面からの取り組み(2)
−様々なフィールドにおける事故防止研究の取り組みと課題-

司会:高橋明子(独立行政法人労働安全衛生総合研究所)

シンポジウム要旨:あらゆる現場において,事故防止のための研究が行われている.本シンポジウムでは,医療,鉄道,船舶,物流,建設といった様々なフィールドを対象に研究をしている中堅・若手の研究者が集まり,各フィールドの現状や現在の研究テーマについて紹介する.さらに,各研究者が安全というテーマに対し,現在抱いている課題について共通認識を持つべく考察を行う.

1.ロールボックスパレット使用による労働災害の実態
ー災害防止に向けた今後の課題ー

パネリスト:大西明宏(独立行政法人労働安全衛生総合研究所)

ロールボックスパレット(RBP)は利便性が高い荷役機器であり,職種を問わずに活用されている。その一方で,作業中に手・足の激突,はさまれる災害,あるいはRBPのキャスターが段差に引っ掛かったことで転倒し,その結果RBPの下敷きとなる災害などが発生しており,安全に使用するための対策が求められている。本報告ではなぜこのような災害が起こるのか,そして,災害防止に向けた今後の課題について報告する。

2.操船者のレーダーによる衝突回避判断の特徴と課題

パネリスト:渕真輝(神戸大学大学院海事科学研究科)

船舶は霧などで視界が制限された中でもレーダー等を利用して航行している。毎年霧海難防止キャンペーンなどが行われているが衝突事故が後を絶たない。報告によれば霧の中での衝突事故の形態としてレーダーで相手船に気づいているもののルールで禁止されている左転をすることで衝突事故に至ったことケースが指摘されている。本報告では質問紙調査から得られた操船者のレーダーによる衝突回避判断の特徴について報告する。

3.建設業の安全活動の実態と課題

パネリスト:高橋明子(独立行政法人労働安全衛生総合研究所)

建設作業は仮設状態の現場での作業が多く,特殊な工具や道具を使用するため,作業の専門性が高い.作業者が安全に作業を行うには,作業者を対象とした安全衛生教育が非常に重要であるが,現在,法令や資格制度が十分に整備されているとは言えない.本報告では,建設業の作業者を対象とした安全衛生教育の現状を概観し,著者が取り組んでいるタブレット端末を用いた安全教育研究を紹介しながら,それらの課題について考察する.

4.看護師の与薬行動特性と誤薬対策

パネリスト:笠原康代(昭和大学保健医療学部)

与薬は,患者の疾病を治癒し,症状を緩和させるために有効な薬剤を取り扱う重要な業務である.一方で,間違った薬剤を患者に配薬した,または与薬すべき薬剤を配薬しなかったといった誤薬に関する報告は後を絶たない.本報告では,与薬業務における看護師の行動特性と背後要因について検討した調査結果とともに,今後の課題と展望について発表する.